【TAE ASHIDA 2025-26秋冬】東京コレクションで描く“光と影”と現代女性の美

FASHION

タエ アシダ「TAE ASHIDA」の2025-26年秋冬コレクションが2025年3月18日(火)、東京都千代田区大手町三井ホールにて発表された。

エレガントかつモダンな50のルックがランウェイを彩り、多様で豊かな現代女性像を表現した。
ステージには、まるで未来へと通じる光の回廊のようなランウェイが出現。暗闇に浮かぶ細長い光の道、その奥にかすかに光る扉は、過去と未来、迷いと希望をつなぐ象徴のようだった。混沌とした世界を駆け抜け、太陽神ヘリオスがその扉から現れるかのような幻想的な演出が、コレクションの幕を開けた。

最初に登場したのは、深いグリーンに包まれたスタイル。まるで密林の静寂をまとったかのように沈静した色合いのロングコートは、木漏れ日のような光を受けて繊細な表情を見せる。反射素材のスカートにレースをあしらい、歩くたびに光を受けて揺らめく姿は、しなやかな強さを感じさせる。ダークレッドのニットとの組み合わせが、クールで芯のある女性像を浮かび上がらせていた。

グリーンを基調としたドレスは、虹のような華やかさと躍動感を合わせ持ち、軽やかにゆれながら、見るものを惹きつける。その上に羽織られた深みのあるグリーンのライダースジャケットが、コントラストを利かせつつも全体に調和をもたらし、神秘的な洗練された雰囲気を演出している。

鮮やかなマゼンタピンクのジャケットが目を引くセットアップスタイル。インナーには淡いグレーのブラウスを合わせ、ハンサムな印象にやわらかさを添えている。パンツは深みのあるグラデーションの赤〜オレンジ系カラーで、歩くたびに揺れる素材がドラマティックな動きを生み出す。ウエストには太めのベルトがアクセントとして効いており、全体を引き締める役割を果たしている。

さらに、ネイビーのロングジャケットとリラックス感あるパンツを組み合わせたセットアップでは、自立し、他人に媚びることなく自分の軸で生きる女性の姿を描出。深い色調とゆったりとしたラインが、内に秘めた意志の強さと柔軟さを同時に語っている。

白いシャツとスカートが織りなす純白のスタイルは、まるで儚いシャボン玉のような存在感。透明で清らかなその姿は、幻想的に見える現代社会が抱える巨大な欲望や「株式会社化」された構造も、いつかは泡のように消え、新たな価値へと生まれ変わっていくことを示唆しているようだった。

💎文:洪 玉英     💎カメラ:安座間 優

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました