2026年2月15日、愛知県名古屋市北区名城のIGアリーナにて『Samsung Galaxy presents TGC in あいち・なごや 2026 by TOKYO GIRLS COLLECTION』(「以下、TGC in あいち・なごや 2026」)が開催された。
14年ぶりの名古屋開催となった今回は、特に地元クリエイターによる「NAGOYA CREATORS STAGE」が観客を熱狂させた。「伝統産業を日常に」をコンセプトに、名古屋が誇る伝統工芸を現代のファッションへと進化させたランウェイは、まさに新時代の幕開けを感じさせるステージとなった。
岡崎紗絵が纏う、漆黒の芸術「名古屋黒紋付染」

NAGOYA CREATORS STAGEのトップを飾ったのは、愛知県出身のモデル・岡崎紗絵。彼女が纏ったのは、大正8年創業の老舗・山勝染工が手掛けるブランド「中村商店」のアイテムだ。
日本の伝統的な染色技法である「名古屋黒紋付染」を用いた着物は、深く吸い込まれるような漆黒が印象的。そこに大胆な白いサークルモチーフ(紋)が施され、伝統の中にモダンなエッセンスを感じさせた。
岡崎はステージ後のコメントで、
「伝統と現代が融合した、唯一無二の雰囲気を感じました。着心地も良く、黒でも重たい印象がないのが素敵です。ここを縫って丸にした模様は、なかなか見ないデザインですよね」
と語り、衣装への想いを明かした。
近藤千尋&太田博久夫妻が魅せる、有松絞りブランド「cucuri」

続いて登場したのは、お笑いトリオ・ジャングルポケットの太田博久と、モデル・タレントの近藤千尋夫妻。二人が身にまとったのは、有松絞りの産地で誕生したアパレルブランド「cucuri(ククリ)」だ。
伝統的な絞り技法による“形状記憶”を活かした、ポコポコとした立体的な素材感が特徴。近藤は淡いブルーのセットアップ、太田はモードなワイドパンツスタイルで登場し、伝統技術がデイリーウェアとして自然に溶け込む可能性を提示した。
近藤は、
「10数年前に出演した名古屋でのTGCを思い出して、胸が熱くなりました。このお洋服、フリルのように見えて、実は伝統の『絞り』なんです。日常に取り入れやすいデザインなので、ぜひ皆さんにも挑戦してほしいです」
と笑顔でコメントした。
ステージ裏トークで見せた、夫婦ならではの素顔
ランウェイ終盤、近藤が太田の頬にそっと指を当てる愛らしいパフォーマンスを披露すると、会場のボルテージは一気に最高潮に達した。
ステージ後のトークでは、太田が
「緊張で唇が足のかかとくらいカサカサだったので、出る直前にリップを塗ってもらいました」
と裏話を明かし、会場は笑いに包まれた。
さらに、堂々とした妻のランウェイを振り返り、
「ほぼ介護されているような気分で、必死に引っ張られて歩きました(笑)」
と語るなど、夫婦ならではの軽快な掛け合いで観客を楽しませた。

伝統工芸が“日常”へと近づいた瞬間
名古屋の伝統工芸が、モードとして、そして日常着として新たな命を吹き込まれた「NAGOYA CREATORS STAGE」。地域に根付く技術と、今を生きる感性が交差したこのステージは、ファッションを通じて“名古屋の誇り”を全国へと発信する象徴的な時間となった。
💎取材・文:洪 玉英 📸写真:安座間 優
