70年の歴史に幕、そして次なる時代へ
2026年2月11日、大阪市北区中之島にある、グランキューブ大阪(大阪国際展示場)にて、大阪文化服装学院として現校名最後となる「卒業作品発表会 2026 『THE FINAL』」が開催された。
70年にわたって育まれてきた創造の歴史を総括する、特別な一夜となった。テーマは「THE FINAL」。
それは終わりを意味する言葉であると同時に、新たな時代へ踏み出すための宣言でもあった。
既存の枠を超える「自由な発想」と社会へのまなざし
今回のランウェイで際立っていたのは、トレンドに縛られない圧倒的な自由度だ。
ジェンダーレス、サステナブル、伝統技術の現代的解釈——。
学生は、今を生きる若者ならではの感性と視点を、テキスタイルやシルエットへと昇華させ、ファッションを通して社会に問いを投げかけていた。
スタイリング学科 × NYLON JAPAN|ランウェイから誌面へ続く真剣勝負
オープニングを飾ったのは、スタイリスト学科2年生34名によるスタイリングショー。
本ステージは、ファッション誌『NYLON JAPAN』とのコラボレーション企画でもある。
選出作品には、『NYLON JAPAN』5月号でのフォトシューティング権が与えられ、学生はプロの世界へ直結する真剣勝負に挑んだ。
霧の中から現れた鮮烈な色彩、緻密なクロッシェ装飾、生命力を感じさせるグリーンのルック。
ランウェイを歩く一歩一歩が、そのまま誌面へとつながっていくかのような臨場感があった。
グランプリはYUNO OKADA|「大人」と「子供」の境界線

スタイリング部門グランプリに輝いたのは、スタイリスト学科2年・YUNO OKADAによる作品「independence × protection」。
上半身には社会の規律を象徴するジャケットとネクタイ。
下半身には無垢な幼少期を象徴する“オムツ”。
さらに、ぬいぐるみを模した巨大なヘッドピースとボクシンググローブが強烈な印象を残した。
受賞コメントで彼女は、「大人になることへの不安と、子ども時代への回帰願望が、このコレクションの根底にあります」と明かした。
外面的な成熟と内面的な未熟さ。その相反する感情を同居させることで、現代人が抱えるリアリティを鮮明に可視化した。

伝統を誇りに、新たなステージへ
大阪文化服装学院としての最後の幕は下りた。
しかし、この夜に放たれた「THE FINAL」の輝きは、校名が変わったその先でも確かに受け継がれていくだろう。
卒業作品が生み出した一着一着は、単なる服ではない。
それは、これからのファッション業界を切り拓く意思と情熱そのものだった。
💎取材・文:洪 玉英 📸写真:安座間 優
