「The Darkness Will Disappear」をテーマに描く未来への希望
コレクション発表の概要
2025年7月25日(金)、東京・寺田倉庫にて、KAMIYA(カミヤ)の2026年春夏コレクションが発表された。
テーマは 「The Darkness Will Disappear(闇は消える)」。
常識にとらわれないデザイナー・神谷康司が手がけたルックは、古着を思わせる質感と静かな色彩に包まれ、一つひとつに未来への希望が宿っていた。
ダークトーンの魅力
重厚なダークトーンの生地が幾重にも重なり、布の陰影の奥から確かな「意志」がにじみ出ている。
闇の中に射す一筋の光──音と衣服が語る再生
ショーの演出
暗闇の中に響いたトランペットとボイスパーカッションの生演奏。軽快なリズムとともに光が差し込み、物語が静かに動き出した。

モデルの表現
すべてのモデルの目の下にはピンクのアイシャドウが引かれ、長い闇を歩き続けた者の“疲労”を象徴していた。

ヴィンテージ感が語る「時間」と「再構築」
意図的なヴィンテージ演出
褪せた色、ゆったりとしたシルエット、未完成に見える縫製やダメージ加工――それらすべてが過去の痕跡を抱きしめ、未来へと歩む姿勢を表現。

メッセージ性
どんな過去にも意味がある。どんな悔しみも変えられない。受け入れ、自分の中に取り込んで再構築するしかない――KAMIYAの服たちはそう語りかける。
朝焼けのような儚さ──薄布が描く春夏の気配
印象的なスタイリング
深緑のジャケットに白いショートパンツを合わせたスタイル。
重ね着の陰影は夜明け前の街をさまようような儚さを感じさせる。

春夏らしい軽快さ
白いシューズと薄手の素材が軽快さを演出し、モデルの歩みに合わせて涼やかな風が吹き抜けるようだった。

都市の孤独から、癒しと再生へ
コレクションのテーマシフト
これまでのKAMIYAは「都市の静けさ」「個の強さ」をテーマにしていたが、今回は「集団の再生」「癒し」に視点に移行。
時代の空気を先取り
“孤独”から“希望へ”というシフトは、2026年春夏という時代の空気感を先取りした提案といえる。
















































💎 文:森野 コウ 📸 写真:安座間 優